【首里城火災】復元・修復の可能性はいかに?原因や世界遺産問題に迫る!

とても悲しいニュースが本日10月31日未明に入りました。
沖縄のシンボルとも言える首里城が火災により正殿などの中心的な建物は全焼という言葉を失う事態となっています。
まだ正式な出火原因はわかっていません。
首里城といえば、過去にも火災が起こっていますが、1992年に沖縄の本土復帰20周年を祝して、復元がされています。
さらに、2000年には「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の中に首里城跡として世界遺産登録されている大事な場所でもあります。
そんな首里城が今回の火災により、再度の復元・修復はどうなるのか、世界遺産に関してはどうなってしまうのか。
この点について、まとめていきたいと思います。
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首里城火災の被害状況は?
10月31日未明に火災が起こり、火災発生から約11時間後の午後1時半頃に鎮火しています。
建物の中心となる「正殿」のほか、「北殿」と「南殿」も全焼し、すべて合わせると、約4800平方メートルが焼失したと報道されています。
消化活動中に脱水症状を起こし、病院で手当を受けた消防隊員が出ていますが、この火災による怪我人などは現在のところ、報告されていないようですね。
正確な火災原因は現在のところまだわかっていませんが、可能性としては以下の原因が挙げられています。
- 電気系統のトラブル
- 落雷などの自然災害
- 人的要因→不始末による出火、放火
火元は建物内部の可能性が高いと専門家はみています。
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過去の首里城火災と復元・修復
首里城は1453年に王位継承を争う内乱で全焼した等、過去に4回の火災が起きています。
沖縄戦が起きた1945年、アメリカ軍の攻撃によっても全焼しています。
終戦し、沖縄が日本へ返還され本土復帰20周年を記念して、1992年に国営公園して復元したんです。
この復元も、1992年に全てが完成していた訳ではありません。
戦前に撮影された写真や古文書などを頼りに、1989年に着工し、92年に首里城公園として開園してからも、復元工事は続いていました。
そして着工から30年、2019年1月に復元工事を終えたばかり。
やっと終えたばかりの首里城をまた失うこととなり、沖縄県民のみなさんはもちろん、日本中のみんなが言葉を詰まらせたと思います。
気になる復元について、これまでの復元の歴史考証を担当されていた高良氏(琉球大学名誉教授)は、「再度の復元については、今は何も考えられない」と発言されていました。
密に関わってきた身としては、言葉にならない、というのも無理はないでしょう。
政府や県としては、復元に対し、全身全霊で取り組むと明言しています。
また数年、数十年の歳月はかかるかもしれませんが、寄付金口座開設の準備をしている、とのことなので、できる限りのことをしたいと思います。
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首里城の世界遺産登録について
今回の火災を受けて、首里城が世界遺産から抹消されるのでは?と心配する声が少なからず上がっているようです。
このあたりはどうなるのかをまとめてみました。
沖縄県に位置する世界遺産として2000年に登録された『琉球王国のグスク及び関連遺産群』があります。
この世界遺産に登録されているのは、今帰仁城跡、座喜味城跡、勝連城跡、中城城跡、首里城跡、玉陵、識名園、斎場御嶽の9資産です。
- 琉球王国が数世紀もの間、東南アジア、中国、朝鮮半島、日本と経済的、文化的交流の中心地となり、その文化を発展させてきたことがうかがえること
- グスク跡は琉球社会の象徴的な考古学的遺跡であり、今なお先祖への崇拝と祈願を通して地域住民の心のよりどころになっていること
などのことが評価されて2000年に世界文化遺産に登録されました。
今回火災にあった首里城は復元されたものであり、世界遺産に登録されている「首里城跡」には含まれていません。
●今回正殿などの中心となる建物が全焼
→世界遺産登録されているのは、地下の遺構である首里城跡
●首里城跡としての世界遺産登録ではなく9つの資産との周辺一体での世界遺産登録
これらのことから世界遺産登録が抹消されることはないと考えて良いだろう。
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実際、今年4月に火災があったノートルダム大聖堂も同様で、世界遺産登録の抹消が検討されることにはなっていません。
事実、現在までで世界遺産登録から抹消された遺産は2件です。
抹消まで行かずとも、危機遺産リストに登録されることや、世界遺産の範囲の縮小、ということはあります。
でも、火災が起きたからすぐ危機リストにのるとか、縮小する、ということではなく、世界遺産委員会で審議がされるので、そういった心配もないと考えられます。
現に、復元に向けて行動しているとなれば、ますますそういったリスクからは遠ざかりますよね。
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まとめ
首里城火災について復元や修復予定、世界遺産抹消の可能性について紹介しました。
出火原因究明も必要でしょうが、今後の復元・修復に向けた動きも見ていきながら、できることがあれば協力していきたいですね。